技術コラム

鋼板の厚板切断加工のポイント

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厚板の鋼板を切断加工する場合、一般的な板厚の加工と比べて、加工方法の選定や品質管理のポイントが大きく変わります。特に厚板になるほど、切断面の品質や熱による歪み、加工時間などが大きな課題となります。本記事では、鋼板の厚板切断加工のポイントについて解説します。

鋼板の厚板切断加工について

鋼板の厚板切断加工は、一般的に板厚20mm以上の鋼板を目的の形状に切断する加工を指します。建設機械部品、産業機械部品、構造部材など、大きな荷重や強度が求められる用途では厚板鋼材が多く使用されています。

しかし、板厚が厚くなるほど加工時の熱影響や歪みが大きくなり、切断面の品質や寸法精度の確保が難しくなる傾向があります。そのため、用途や求められる精度、コスト、納期などに応じて、適切な切断方法を選定することが重要です。

また厚板加工では、切断後の追加加工(穴加工、機械加工、溶接など)を考慮した切断品質も重要になります。切断面の品質が悪いと後工程の加工負荷が増え、トータルコストが上昇する場合もあるため、切断方法の選定は製品品質とコストの両面に大きく影響します。

厚板切断の注意するポイント

切断面の面粗度

厚板切断加工では、切断面の面粗度が大きな課題となります。特にガス溶断やプラズマ切断では、溶融した金属が流れることで面粗度が悪化することがあります。

原因としては、熱によって金属が溶けながら切断されることや、板厚が厚いことで溶融金属の排出がスムーズに行われないことが挙げられます。また、切断速度が適切でない場合も面粗度が悪化する原因になります。

対策としては、板厚に適した切断方法を選定することが重要です。さらに、切断条件の最適化や、ノズルやガス流量の調整などを行うことで、切断面の品質を改善することができます。

厚板切断時の変形・ひずみ

厚板切断では、熱入力による変形やひずみが発生しやすいという課題があります。ガス溶断やプラズマ加工では、切断部分に高温の熱が加わるため、局所的な熱膨張と冷却収縮によって鋼板が反ることがあります。

特に長尺部品や大型プレートの場合、切断順序や熱の集中によって大きな歪みが発生することもあります。この歪みが後工程の機械加工や組立工程に影響を与える場合があります。

対策としては、切断順序の最適化や複数箇所からの切断、入熱量の少ない加工方法の選定が有効です。また、レーザー加工など熱影響部が小さい加工方法を採用することで、歪みを最小限に抑えることが可能です。

加工速度が遅いことによる生産性の低下

厚板切断では、板厚が厚くなるほど加工速度が低下する傾向があります。特にガス溶断では、材料を溶かしながら切断するため、切断速度が遅くなり、生産性が低下する場合があります。

加工速度が遅いと加工コストの増加や納期の長期化につながるため、加工方法の選定は非常に重要です。例えば、中厚板であればプラズマ切断を採用することで加工速度を向上させることができます。また、高精度が必要な場合にはレーザー加工を選択することで、後工程の加工時間を削減し、トータルの生産効率を高めることが可能です。

このように、板厚や必要な精度、数量などを踏まえて最適な切断方法を選定することが、生産性向上のポイントとなります。

各加工方法の違い

ガス溶断

ガス溶断は、酸素と燃料ガスの燃焼熱を利用して鋼材を加熱し、酸化反応によって切断する加工方法です。最大の特徴は、100mm厚を超えるような極厚板の加工にも対応できる点です。

一方で、熱入力が非常に大きいため、熱歪みや反りが発生しやすいという特徴があります。また、切断速度は比較的遅く、切断面の品質も他の加工方法と比較すると粗くなる傾向があります。

しかし、設備コストが比較的安く、非常に厚い鋼板でも確実に切断できるため、重工業や大型構造部材の加工などで広く使用されています。

当社のガス溶断の特徴

当社では、最大110mm厚の鋼材に対応可能なガス溶断加工を行っております。豊富な現場経験を持つ熟練の作業者が手作業で加工を行うことで、安定した品質と高い寸法精度を確保しています。また、切断面の仕上がりにもこだわっており、後工程となる機械加工や溶接工程の効率向上にも貢献しています。

さらに、一般的にはNC工作機械による加工が必要とされるような複雑形状であっても、当社ではガス溶断によって柔軟に対応することが可能です。プログラム作成や段取りにかかる時間が不要なため、短納期での対応を実現するとともに、加工コストの削減にもつながります。

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プラズマ加工

プラズマ加工は、高温のプラズマアークを利用して金属を溶融しながら切断する加工方法です。ガス溶断よりも高速で加工できるため、中厚板の量産加工に適した方法とされています。

ガス溶断と比較すると切断速度が速いため入熱が少なく、歪みも比較的抑えることができます。ただし、切断面の下部にドロスと呼ばれる溶融金属の付着が発生しやすく、後処理が必要になる場合があります。

それでも加工速度とコストのバランスに優れているため、産業機械部品や建設機械部品などの加工で多く採用されています。

当社のプラズマ加工の特徴

当社では、薄板から厚板(12mm〜36mm)まで幅広い鋼材に対応したプラズマ加工を行っており、高精度かつ高速な切断を実現しています。さらに、最短で翌営業日の出荷が可能な短納期対応体制を整えており、小ロットの試作から量産まで柔軟に対応しております。これにより、設計変更や試作品の製作などにも迅速に対応でき、お客様のリードタイム短縮にも貢献しています。

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レーザー加工

レーザー加工は、高出力レーザーを用いて金属を溶融または蒸発させて切断する加工方法です。一般的には薄板加工に使用されることが多いですが、近年では高出力レーザーの普及により、25mm程度の中厚板でも高精度に加工できるようになっています。

プラズマ加工やガス溶断と比較すると設備導入コストやランニングコストは高いものの、寸法精度が非常に高く、熱影響部が小さいため歪みが少ないというメリットがあります。また、小径穴の加工や複雑形状の加工にも対応でき、切断面も非常に滑らかです。

そのため、精度が求められる機械部品や追加加工を前提とする部品の切断では、レーザー加工が選ばれるケースが増えています。

当社のレーザー加工の特徴

当社では、5尺×10尺(1524mm×3048mm)を超える大型鋼板にも対応できるレーザー加工体制を構築しております。板厚やロット数、製品形状に応じて複数の協力企業と連携し、最適な加工先を選定することで、単品の試作から量産まで幅広いニーズに柔軟に対応いたします。

また、協力企業とのネットワークにより、合計15台のレーザー加工機を稼働できる体制を整えております。これにより、板厚25mm以下の鋼板に対する高精度切断はもちろん、3次元レーザー加工によるパイプ材の切断や穴あけ加工にも対応可能です。

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厚板の切断加工は鋼材加工まるごと受託センター.comにお任せください

今回は、鋼板の厚板切断加工のポイントについてご紹介しました。鋼材加工まるごと受託センター.comを運営する株式会社鍛冶儀では、ガス溶断、プラズマ切断、レーザー加工を駆使した加工を行うことで高品質な厚板の加工品を提供しております。お困りの方はお気軽にご相談ください。

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