鋼板のレーザー加工｜薄板から中板まで高精度仕上げ
鋼板加工にはその目的や特性に応じて、様々な加工方法が用いられます。本記事では、その中でも薄板から中板の加工でよく使われる「レーザー加工」に焦点を当て、加工方法の概要からメリット、デメリットについてご紹介します。
鋼板におけるレーザー加工とは
レーザー加工とは、レーザー光の熱によって鋼板の切断や穴あけなどを行う非接触の熱加工方法です。レーザー加工は、ガス溶断やプラズマ切断などと比較して、特に、鋼板の薄板から中厚板の形状の鋼板に対して、複雑な形状や高い寸法精度が求められる場合に、用いられることが多いです。
また、レーザー加工は、基本的にCO2レーザーと、ファイバーレーザーの大きく二種類に分けられています。
CO2レーザーは、炭酸ガスを媒質とし、非金属を含む幅広い材料の加工が可能ですが、銅やアルミといった反射率の高い金属の切断が難しいという特性があります。
一方、ファイバーレーザーは、光ファイバーを媒質とし、エネルギー効率が非常に高く、反射率の高い金属の鋼板切断も可能です。
レーザー加工のメリット
次に、鋼板のレーザー加工を行う具体的なメリットについてご紹介します。
薄中板の高精度加工に最適
上述の通り、レーザー加工は、鋼板の薄板から中板で、高精度な加工を行うことが可能です。薄板の加工方法として、シャーリングやプレス加工なども挙げられますが、これらは対応板厚が限られるだけでなく、ダレやバリといった加工不良も発生しやすいです。
一方、レーザー加工は、他の切断方法と比較して切断面が滑らかで美しく仕上げることができるメリットがあります。ワークに対して非接触でレーザー光をワーク表面に集光することで、限定された箇所のみ加工ができ、直接刃が触れることがないため、バリなどの不良発生リスクを低減することができます。
そのため、高精度が求められる薄中板の鋼板加工を行う場合は、レーザー加工が適していると言えます。
複雑形状の加工が可能
レーザー加工の大きなメリットとして、複雑な形状なども高い精度で鋼板加工できる点も挙げられます。これは、レーザー光のスポット径（光の集光点）が非常に小さいため、鋼板に高精度に加工ができます。金型を必要とするプレス加工では、構造的な制約から加工が困難であったり、金型費用がかかるような複雑な形状がありますが、レーザー加工では高精度に仕上げることが可能です。
レーザー加工のデメリット
厚板の加工に対応できない
レーザー加工の切断限界はおおよそ25mm厚程度とされているため、それ以上の厚板の加工には適しておりません。そのため、厚板鋼板の加工となると、ガス溶断を用いた方が、コストを抑えて鋼板の切断を行うことが可能です。
ランニングコストが高い
レーザー加工機は、その高い加工能力と精度を維持するために、他の加工機と比較してランニングコストが高くなる傾向があります。このランニングコストには、主に電気代、アシストガスの費用、そして消耗部品の交換費用が含まれます。
当社の鋼板のレーザー加工事例
以下に、当社の実際の鋼板の加工事例をご紹介します。
別作フランジ
こちらはプラント工事向けに製作したSUS304フランジの加工事例です。
一品製作のご要望に対し、ファイバーレーザー加工機を用いて迅速に対応することで短納期を実現し、ご依頼翌日には出荷まで完了したことで納期面でも高い評価をいただきました。
カバー部品
本事例は、100×100×2100mmサイズのカバー品の加工実績です。鋼板をレーザー加工にて高精度で切断した後、曲げ加工を行うことで、形状を変更いたしました。
加工の特徴として、シャーリング加工ではなく、レーザー加工を採用することで、シャーリングで生じやすい微妙なずれや歪みを防ぎ、切り欠き部分を高精度に仕上げました。
鋼板のレーザー加工なら鋼材加工まるごと受託センター.comにお任せください
今回は鋼板のレーザー加工の概要からメリット、デメリットについてご紹介しました。鋼材加工まるごと受託センター.comを運営する株式会社鍛冶儀商店では、協力企業とのネットワークを活かすことで合計15台のレーザー加工機を活用し、25mm以下の鋼板に対する高精度な切断はもちろん、3次元レーザー加工によるパイプ材の切断や穴あけにも対応いたします。
お困りの方はお気軽に当社にご連絡ください。