技術コラム

高精度なパイプの曲げ加工におけるポイントを紹介

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丸パイプや角パイプの曲げ加工は、建築部材から産業機械のフレーム、コンベア設備まで幅広く使われる加工ですが、板や棒の曲げとは異なる難しさがあります。パイプは内部が中空であるため、曲げた際に断面がつぶれたり、内側にシワが寄ったり、外側が割れたりといったトラブルが起こりやすく、意図した曲げR・角度を精度よく再現するには相応のノウハウが求められます。

本記事では、パイプの曲げ加工の主な方法と、丸パイプ・角パイプそれぞれで失敗しないためのポイント、そして切断・穴あけ・溶接まで一貫対応できる当社の加工体制について解説します。

高精度なパイプの曲げ加工におけるポイントを紹介 | 三重・愛知・岐阜 鋼材加工まるごと受託センター.com

丸パイプ・角パイプの主な用途

パイプの曲げ加工とは、丸パイプや角パイプに外力を加え、塑性変形を利用して所定の曲げR・角度に成形する加工です。直線のパイプを継手でつないでコーナーを作る方法もありますが、曲げ加工でジョイントを減らすことで、強度の確保や美しい曲線形状の実現、部品点数の削減につながります。

パイプは、建築部材や手すり、産業機械のフレーム、搬送設備のコンベアレール、架台部品など、多様な用途で使われます。丸パイプは配管や手すり、意匠性が求められる部材などに、角パイプは架台やフレームといった構造部材に多用されるのが一般的です。いずれも、曲げ加工によって形状の自由度を高めながら、構造物としての機能を満たすことが求められます。

パイプの曲げ加工の主な方法

パイプの曲げ加工にはいくつかの工法があり、パイプの径・肉厚・曲げR・求められる精度によって適した方法が異なります。

最も広く用いられるのは、常温で圧力をかけて曲げる冷間曲げ(ベンダー曲げ)です。金型にパイプを沿わせて曲げる方式で、パイプ径に対して比較的小さなRから対応でき、精度も出しやすいのが特徴です。大きなRを緩やかに曲げる場合には、複数のロールでパイプを送りながら曲げるロール曲げ(バリアブル曲げ)が用いられます。このほか、プレスによる曲げなど、形状や量産性に応じて工法が選定されます。

薄肉パイプや小さなRで曲げる場合には、断面のつぶれを防ぐために、パイプ内部に芯金(マンドレル)を通して支えながら曲げる方法もあります。どの工法・条件が最適かは、パイプの仕様と最終製品の要求精度によって変わります。

丸パイプ・角パイプの曲げの違い

同じパイプでも、断面が丸か四角かによって、曲げたときの変形の出方や注意すべき点が変わります。

丸パイプの曲げの特徴

丸パイプは断面が円形のため比較的曲げに対応しやすい形状ですが、それでも小さなRで曲げると断面が楕円状につぶれ(扁平し)やすく、曲げの外側では肉厚が薄くなります。意匠性が重視される部材では、この扁平やシワが外観品質に直結するため、曲げRと肉厚のバランスを踏まえた加工が重要です。

角パイプの曲げの特徴

角パイプは断面が四角いため、曲げによる変形の出方が丸パイプと異なります。曲げの内側の面が膨らんだり、外側の面がへこんだり、コーナー部に応力が集中して変形やねじれが生じたりしやすくなります。フレームや架台の構造部材として使われることが多く、寸法精度や直角度が求められるため、変形を抑えながら狙った形状に仕上げる技術が欠かせません。

高精度なパイプの曲げ加工ができるポイント

パイプの曲げ加工には、中空構造ゆえに扱いの難しい要素が数多くあります。当社は、これらの難所を踏まえたうえで、狙いどおりの形状・精度に仕上げるパイプ曲げ加工に対応しています。ここでは、当社がどのような点に配慮して高精度な加工を実現しているかをご紹介します。

断面のつぶれを抑えた曲げに対応 

パイプ曲げで最も起こりやすいのが、断面のつぶれです。曲げRがパイプ径に対して小さいほど、また肉厚が薄いほど、つぶれが発生しやすくなります。これを防ぐには、曲げRと肉厚の関係を踏まえた条件設定に加え、必要に応じて芯金(マンドレル)を用いて内側から断面を支えることが有効です。設計段階で無理のない曲げRを設定することも、つぶれ防止の第一歩となります。

内側のシワ・外側の割れへの対策

パイプを曲げると、曲げの内側は材料が圧縮されてシワが寄りやすく、外側は引き伸ばされて肉厚が薄くなり、場合によっては割れが生じます。これらは、パイプの材質・肉厚・曲げRの組み合わせによって発生しやすさが変わるため、材料特性を理解したうえでの工法・条件選定が重要です。

スプリングバックを見込んだ高精度な角度出し 

金属を曲げると、加工後に一部が元に戻ろうとするスプリングバック(曲げ戻り)が生じます。狙った角度に対して曲げ戻りの分を見込んで曲げなければ、寸法・角度精度が出ません。スプリングバックの量は材質や肉厚によって異なるため、経験に基づく角度管理が精度を左右します。

角パイプ特有の変形・ねじれを抑えた製作 

角パイプでは、コーナー部への応力集中による変形や、曲げに伴うねじれ、面の膨らみといった角パイプ特有のトラブルに注意が必要です。とくにフレームや架台のように複数のパイプを組み合わせる構造物では、一本ごとの変形が全体の組立精度に影響します。変形を抑える固定方法や加工手順の工夫が求められます。

曲げと後工程を一貫して見込んだ工程設計 

パイプ曲げでは、曲げ後の全体寸法を狙いどおりに仕上げるために、展開寸法を正しく計算することが欠かせません。さらに、曲げ加工の後には切断・穴あけ・溶接といった工程が続くことが多く、曲げによる変形を見込んだうえで各工程を設計する必要があります。曲げと後工程を別々に考えると、穴位置のずれや組立不良につながるため、工程全体を通した設計が重要です。

当社のパイプ・曲げ加工の加工事例

パイプカバー部品

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こちらは、電設業界向けのパイプカバー部品の加工事例です。材質はSS材、サイズはφ200・t6mm、ロットは100個。レーザー加工を行った後、曲げ加工を施し、最後に溶接をして製作しました。各穴部分の加工もレーザー加工で対応し、レーザー加工から溶接まですべて一貫して対応しています。

本事例は100個のロットかつ急ぎのご要望でしたが、当社の協力企業ネットワークを活かすことで早期に対応し、お客様にご満足いただけました。曲げを含む複数工程を一貫対応することで、品質を安定させながら短納期を実現できる好例です。

タンク用架台(角パイプのレーザー穴あけ+曲げ+溶接)

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こちらは、コンベア業界向けのタンク用架台の製作事例です。材質はSS材で、100mm×3,500mmサイズの角パイプにレーザー加工で穴あけを行い、ベース板もレーザー加工で切り出したうえで、角パイプとベース板を溶接でつなぎ合わせて製作しました。

当社は、コンベア用架台や設備用架台の製作を得意としており、鋼材の切り出しから、レーザー加工やマシニング加工による穴あけ加工、曲げ、溶接までを一貫して対応できます。角パイプを用いた架台のように、複数の工程と部材を組み合わせる構造物も、まとめてお引き受けします。

まとめ

丸パイプ・角パイプの曲げ加工は、中空構造ゆえに断面のつぶれ、内側のシワ、外側の割れ・肉厚減少、スプリングバック、そして角パイプ特有のねじれ・変形といった、板や棒にはない難しさがあります。狙った曲げR・角度を精度よく再現するには、材質・肉厚・曲げRを踏まえた工法選定と、後工程まで見込んだ工程設計が欠かせません。

当社では、丸パイプ・角パイプの曲げ加工に加え、切断・レーザー・穴あけ・溶接・表面処理・組立までを一貫対応し、パイプを用いた構造物をユニット単位で製作できます。パイプの曲げ加工や、曲げを含む鋼材加工でお困りの方は、お気軽にご相談ください。